休日前の会社帰りに手軽に車を綺麗にしておこうとしてガソリンスタンドの洗車場に渋滞ができる金曜の夜をよく見かけます。
確かにお手軽にきれいになるのでいいのですが、お財布や時間短縮にはよくても車のボディには全然よくないんです!
スタンドの洗車機のブラシは傷がつきにくい素材とはいえ、マイクロファイバースポンジなどと比べればボディをガリガリ削っているのと同じレベルです。
ボディだけでなくエンブレムやバイザー、ホイールにまで被害は拡大して、細かなコキズが無数につく結果になります。
ディーラーでも最近は手洗い洗車をしてくれます。
ユーザーの愛車を考えてのことですね!
この記事では今まであまり手洗い洗車をしたことがなかった人でも簡単に、しかも無駄のない洗車手順を解説していますので是非参考にしてくださいね!
洗車機VS手洗い洗車 ボディに優しいのはどっち?
このような疑問を持っている人もいますよね?
毎日洗車をしてきた元整備士がから言わせれば洗車機のほうが長期で見ると確実に傷が付きます。
洗車機はボディや車の外装部品などに合わせた力で洗車をすることができないので、あまり力が必要ないところまで全力でブラッシングしてしまうので外装の痛みが時間とともに現れてきます。
手洗い洗車に抵抗がある人は
【やってはいけない手洗い洗車の手順】をしてしまっている事がほとんどです。
洗車機に慣れた人が失敗する手洗い洗車の間違えは4つある
洗車初心者がやりがちな失敗点はこの4つに当てはまります。
- 夏でも冬でも晴れた日の日が当たる場所で洗車してる
- 洗いやすいボディから洗ってる
- 下準備なしにボディをスポンジで擦っている
- ケルヒャーなどの高圧洗浄機のみで洗おうとしている
洗車は晴れた日に太陽の下でやるのがベスト!
なんて思われがちですが、コレすべてNG行動です!
手洗い洗車は曇りの日か太陽が出ていれば日が直接当たらない場所でするのが1番失敗が少ないです。
太陽光の下で洗車をするとボディに残った水分が球状に残って、鱗のような汚れ【ウォータースポット】ができてしまいます。
洗いやすいからといって、ボディを先に洗うのもNGです。
タイヤやホイールには油性の汚れ(ブレーキダストやグリス等)の頑固な汚れがついているので先ずはココから綺麗にしておきましょう!
ボディを洗うときもいきなりスポンジで擦ってはいけません。
ボディには目に見えないホコリや砂がついている状態なので、このままこすったのではただボディに傷をつけているだけと変わりません。
ケルヒャーや高圧洗浄機で一気に汚れを落とすCMがありますが、あれもCM演出であって手洗い洗車をしっかりやろうと考えるとまず行いません。
高圧洗浄機は一見傷がつきにくいように見えますが、高水圧で飛ばされたボディの汚れや小石はそのままボディに打ち付けられ傷の原因になります。
一気に大量の空気を含ませることができる高圧洗浄機はバケツに入ったカーシャンプーを泡立てるには最強のアイテムです!
※バケツに高圧洗浄機を使うと水の跳ね返りが強いので注意してくださいね!
洗車機のメリット 簡単・早い・お手軽
洗車機にもメリットはあります。
使うタイミングを考えることで洗車機での洗車もしっかり活かせます!
- 思い立ったときにワックスからコーティングまでお手軽にできる
- 洗車道具が要らないのでコスパがいい
- 自宅の駐車場が狭い場所などでは洗車機のほうが使いやすい
洗車機は素人では難しいワックスやコーティングもボタン一つで簡単にできてしまうのが1番のメリットでしょう。
都内や自宅の駐車場が狭く、洗車スペースが確保できない自宅の場合なども無理に自宅で洗車をするくらいなら洗車場まで持っていきましょう。
洗車機のデメリット 細かなところは無理がある
洗車機のデメリットは手軽さとは正反対の場面に現れます。
機械で決められたパターンしか動けない洗車機は人間が目で見て手洗い洗車をするほど細かなところに気配りが効きません。
- 傷がつきやすく、蓄積しやすい
- 実は拭き上げが大変
- 必ず洗い残しが出る
洗車機最大のデメリットは傷がつきやすく、吹き残りがかならず出ることでしょう。
洗車料金が一番安い水洗いコースなどは洗剤を使ってないのでブラシとボディの摩擦が強くなり余計に傷が付きやすくなります。
車の形状は様々ですべての車を隅々まで洗車機で洗うことは不可能です。
センサーでボディにブラシが当たらないようにかなり余裕を持った設計になっているのでどうしてもブラシとボディが遠ざかる場所が生まれてしまいます。
洗車後は風圧である程度水分は飛ばしてくれますが、中途半端に残った水分はウォータースポットに原因にもなります。
拭き上げタオルも備え付けのものではただのタオルがほとんどなのでブラックボディの車を拭いたら一発で傷が残ります。
ホイールやタイヤの汚れが残ることもあります。
洗車機はボディをまんべんなく洗うには適していますが、最も汚れているタイヤやホイールはなかなか洗えません。
外車のホイールは構造上汚れやすくなっていますが、せっかくボディが綺麗でもホイールが汚い外車に乗っていいる人は間違いなく洗車機を多用しています。
車のためにも洗車は手洗いをするほうが良いですね!
毎回手洗い洗車とはいかなくても、月に一回は手洗い洗車をするだけでも長い目で見れば傷の少ない綺麗な状態が長い期間楽しむことができますよ!
実戦形式で学ぶ手洗い洗車5ステップ
手洗い洗車に必要な道具の準備
手洗い洗車をするには専用の用品が必要になります。
これらを使いながら洗車がスムーズにできる5つのステップを紹介していきます。
手洗い洗車に必要な用品
- スポンジ(タイヤ用・ボディ用で分けること。ホイール汚れがついたスポンジはボディを汚すため)
- シャワー機能付きホース
- 10Lくらいのバケツ
- カーシャンプー
- マイクロファイバークロス
- 脚立(天井の高い車は必ず必要)
- タイヤの艶出しコーティング
- ボディコーティング剤(親水タイプ)
- 仕上げ拭きセイム
より簡単に水分を吸収できるようにマイクロファイバークロスは必要です。
ボディコーティング剤は初心者でも使いやすく、ウォータースポットができにくい【親水タイプ】がオススメです。
カーメイト C114 エクスクリア 超親水コーティング ロング | ||||
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手洗い洗車をスムーズに行う5ステップ
手洗い洗車は大きく分けて5つの工程で洗車を行います。
時間にしてワンボックスタイプで1時間、セダンやコンパクトカーなら30分あれば完了するので是非チャレンジしてみましょう!
タイヤ・ホイールを洗う 車で一番汚れている場所
車で1番汚れがつきやすいのはタイヤとホイールです。
ボディを先に洗ってからホイールを洗うと1番汚れている泡や流した水がボディにかかってしまい台無しになってしまいます。
ホイールを洗う時のポイントは長時間放置しないことです。
シャンプーをつけたまま長時間放置されたホイールは洗剤がホイールにこびりついてしまい最悪の場合シミになってしまい落ちなくなります。
ブレーキローター(ホイールの奥に見える円盤状の部品)はブレーキを掛けるときに使われる部品ですがココに多少水がかかっても問題ありません。
通常走行している時はもちろん雨水等はかかっているので耐水性はあります。
しかし鉄製なので錆が浮くことはあるので、その時は周囲に注意しながら何度かブレーキを浅く踏みながら走行してください。すぐに錆は取れますよ!
コレと同じでブレーキパットも多少洗浄したほうが良いです。
ホイールの外からでいいのでシャワーの水をブレーキパットの上からかけてあげてください。
ブレーキパット周辺にはダストというホコリが溜まりやすいのでダストを流すだけでも汚れの拡散を防げます。
ブレーキパットに水をかけた後はブレーキ性能が落ちることがあるので、必ずブレーキを何度かかける動作をしてください!
低速で動きながら数回ブレーキ操作を繰り返せばもとの制動力は戻るので、忘れずに行ってください。
タイヤを洗うときに使う用品
タイヤを洗う時は専用のスポンジを使いましょう。
タイヤに付いた油性の汚れは頑固なので、同じスポンジでボディを洗うと汚れが移ってしまいます。
タイヤの仕上げ拭きはマイクロファイバークロスがおすすめですが、鏡面加工のホイールなどでなければ市販のタオルでも問題ありませんよ!
タイヤ洗浄用品
- タイヤ用スポンジ
- マイクロファイバークロス
- シャンプー
- シャワーホース
タイヤとホイールを洗う手順
最初にシャワーホースでホイール表面の軽い汚れを流し落としましょう。
ココで汚れをある程度流すことでスポンジで擦った時の傷つきを最小限にすることができます。
高圧洗浄機で洗い流すことも有効です。
ブレーキやサスペンションに水分がかかるのは良くないと言われますが、車の構造はそんなヤワではありません。
常に過酷な路面状況に耐える構造になっているブレーキやサスペンションに水分がついたくらいでは問題はありません。
注意すべきは高圧洗浄機の水圧で10秒以上同じ場所に水圧を当てないことです。
水分には耐えられても長時間の高水圧は部品に局所的な負荷がかかるので止めましょう。
タイヤ用のスポンジは専用形状のものが使いやすいです。
CARMATE パープルマジック ホイールスポンジ C50 | ||||
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ホイールは表面よりも溝のほうが汚れが溜まりやすく、掃除もしにくいので細長い形状のものが簡単に汚れを落とすことができます。
最後にシャワーホースでしっかり泡を洗い流しましょう。
ホイールに泡がついたまま乾いてしまうとシミの原因になるのでスポンジで擦ったあとはできるだけ手早く洗い流すときれいな状態を保てます。
ボディ・ガラスを洗う
タイヤ周りが洗い終わったらいよいよボディの清掃です。
ボディの洗い方の基本は上から下へ汚れを洗い流していくことです。
ワンボックスカーは車高が180cm以上あるものがほとんどなので、洗い残しや流し忘れが出ないように脚立を使って行うと作業がしやすいですね。
脚立がない場合はプラスチック製の踏み台などもあり、軽いので使いやすいですよ!
ホワイトセノ・ビー スーパーのっぽ君(1台) | ||||
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いよいよシャンプーの出番です!
カーシャンプーには車の色によって使える種類が異なります。
汎用タイプもありますが黒系の色専用や、傷隠し専用など様々です。
今回は汎用性が高く、初心者でも使いやすいタイプのカーシャンプーを例にします。
ここでオススメのカーシャンプーは【シュアラスターカーシャンプー】です。
シュアラスターカーシャンプー1000 1000ml | ||||
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多くの洗車の記事でも評価が高いように、私自身もシュアラスターのシャンプーは愛用していて非常に使いやすいと感じたからです。
シュアラスターカーシャンプーはワックス効果を落とすことなく汚れのみを落としてくれるすぐれものです!
しかも容量の割に価格も安いのでコスパに優れているのも優秀なポイントでしょう!
シャンプーを泡立ててボディを洗いましょう!
バケツに水と指定分量のカーシャンプーを入れたら、シャワーホースをジェットタイプに切り替えてたっぷり泡立てましょう。
たくさんの泡はボディとスポンジの摩擦を軽減してくれます。泡が砂や汚れを包み見込んでくれるんですね。
ボディに直接カーシャンプーを塗って洗うのは止めましょう!同様にスポンジに直接カーシャンプーをつけるのもNGです!
泡が十分ない状態でボディをこすることになるので傷の原因になります。
ここまでの準備が整ったら車の天井から下に向けて洗っていきましょう。
先にボディの下を洗い始めてしまうとドロなどを綺麗なスポンジにつけてしまうので必ず上部から洗ってくださいね。
夏場や日が当たりやすい場所で洗車をする時は洗った面をすぐに流しながら洗車しましょう。
乾燥したシャンプーはすぐにシミになり、かなり落としづらくなるので注意が必要です。
スポンジで擦る時は点ではなく面で擦るようにしましょう。
一点集中でボディを擦ってしまうと力が加わりすぎて細かな傷の原因になります。
ボディの一番上の層には【クリアー】という塗装が施されていますがとても繊細なので丁寧に擦りましょう。
車全体を洗い流す
車全体を洗い終えたら念入りに泡を洗い流します。
ボディに残った泡は水垢やウォータースポットの原因になるので細部まで念入りに行いましょう。
とくに流し忘れが多い部分は
- サイドミラーの可動部
- ドアノブの隙間
- ボンネットの隙間
- トランクの隙間
- フロントグリル周辺
水は表面張力があるので、可動する際にできる隙間に特に残りやすいです。
ドアノブやサイドミラーは動かしながら残った泡を出すようにして流していきましょう。
出典:https://www.calsonickansei.co.jp/products/heat-exchange/
洗い流すときに最も注意するポイントは【ラジエターとエアコンコンデンサー】です。
車を正面から見たときにバンパーのすぐ裏側に鉄製の網目状に部品がこの部品です。
網状になったこの部品に強い水圧をかけるとフィンが曲がってしまい、エンジンの熱が冷えなくなったり、エアコンが動かなくなるなど重大な故障につながります。
葉っぱやゴミが挟まっていたら丁寧に手で取るようにしましょう。
エアコンコンデンサーが綺麗になると冷却効果が回復してエアコンの効きが良くなるので適度に清掃するようにしましょう!
仕上げの乾拭き
泡を全て流し終えたらマイクロファイバークロスですぐに拭き上げをしましょう。
乾燥した水滴はウォータースポットや水垢汚れになりせっかくの洗車が台無しになってしまいます。
水分の拭き上げに【セームクロス】を使っている場合もありますが、マイクロファイバークロスのほうがおすすめです。
マイクロファイバークロスはセームクロスに比べても吸水性が高く、力を入れなくてもボディの上を撫でるだけで水分を吸収してくれるので初心者には特に使いやすいです。
セームクロスは長時間使用していないと水分が抜けてカチカチに固着してしまいもう一度水分を含ませてからでないと使えないので少しクセがあります。
まずはマイクロファイバークロスで確実に拭き上げをしていきましょう!
シュアラスター SurLuster S-81 シュアラスター S-81 マイクロファイバークロス S81 | ||||
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マイクロファイバークロスは窓ガラスの拭き取りにも使いやすいです!
窓ガラスは普通のタオルで拭き上げようとすると必ず拭きムラが出来てしまいます。
普通のタオルは水分を含みすぎることと、繊維が荒いのが原因です。
マイクロファイバークロスは適度な水分維持と繊維がとても細かいので均一にガラス面にクロスが当たるので拭きムラが極めて少なく済みますよ!
洗車の仕上げは各用品でしっかり行う
ボディとタイヤの洗車が仕上がったら仕上げをしましょう!
タイヤワックスとボディコーティングをすることできれいな状態を長く保つことが出来ます。
タイヤの艶出し
タイヤの艶出しスプレーは見た目の印象を格段に上げてくれます。
加えてタイヤ側面の紫外線による劣化を防ぐ効果もあるので一手間加えると良いですね!
ボディーコーティングは親水系が初心者にオススメ
ボディコーティングとしてよく使われるのが【車用ワックス】ですが、初心者の人は避けたほうが良いです。
ワックスの施工が難しい理由
- ワックスは塗りムラができやすい
- 過度にワックスをボディに塗ると塗装がクスム
- ワックスの乾拭きなど手間がかかる
などがあげられます。
ワックスはボディコーティングのプロでも施工が難しく、均一に塗ることが一番難しいボディコーティングです。
樹脂製の部品に塗ってしまうと樹脂の隙間にワックスが入り込んでしまい、白く残ってしまいます。
簡易的なボディコーティングとは違いワックスは一度塗った面のワックスを剥がしてから塗り直すという独特の施工が必要です。
これを怠って重ね塗りをしてしまうと塗装面に膜が貼ったのとおなじになり、車の色鮮やかな色がくすんでしまいます。
初心者におすすめのボディコーティングは親水タイプのコーティング剤です
親水タイプとはボディに残った水分を玉にして弾くワックスとは違い、水玉を作らないようにボディをコーティングさせ、ウォータースポットなどが出来づらい状態にしてくれる商品です。
施工も簡単で、少し濡れた状態のボディを拭き上げるときにスプレーして、残った水分と一緒に拭き上げれば完成です!
手洗い洗車はしたいけどどうしてもできる場所がない場合
手洗い洗車は傷のつきにくさやボディカラーを長い期間綺麗に保てるなどメリットが多くあります。
しかし駐車場の問題などでどうしても手洗い洗車ができないユーザーの人は
【店舗で行う手洗い洗車】を試してみてください!
手洗い洗車をしてくれるお店はガソリンスタンドや専門店があり、料金は洗車機に比べると倍くらいかかりますが、全て人の手で行ってくれるのでアナタが自宅で手洗い洗車をする以上にきれいに仕上げてくれますよ!
脱初心者手洗い洗車を目指すなら
親水コーティングに慣れたユーザーや、ワンランク上のボディコーティングを検討しているなら簡単にプロ並みのコーティングができるカーケアキットを使うのもありですね。
もっとたくさんの洗車用品やボディメンテナンスグッツが調べたいときはカーファクトリーアンサーというプロも御用達の販売店があるので参考にしてみてくださいね!